第1回 研究会での意見交換のようす(1)

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第1回 研究会での意見交換のようす(1)

 

ドレスト光子の性質を深く調べるためには量子場とミクロ・マクロ双対性の観点からの考察が重要です。また、その考察のためには圏論の方法が有効です。これらの観点から、ドレスト光子研究起点のメンバーの間で意見交換をしました。また、その際、「圏論の歩き方」(圏論の歩き方委員会編、日本評論社、2015)の記載内容を参考にさせて頂きました。意見交換の一部を次に記します。

Oh: ミクロ・マクロ双対性の問題はドレスト光子の抱える問題と共通するところが多いように思えます。この共通性をもとにドレスト光子に関わる現象の解釈を進めたいものです。

MicMac:そのための一番のヒントは,サンテクジュペリの『星の王子様』で,キツネが言うセリフ:《心で見なくちゃ,ものごとはよく見えないってことさ。かんじんなことは,目に見えないんだよ》にあるのではないかと思います。それが,見える現象 = マクロから出発して「目に見えないかんじんなこと」であるミクロの仕組み,運動を「心で見る」ということではないかと思います。「心で見る」ということを可能にするのが《ミクロ・マクロ双対性》であり,それによって見えてきたミクロを「心で見る」ことの出発点に取り直して,そこから目で見えているマクロを再構成する,それが理論的研究の目指すべき目標なのだろうと思います。
より詳しくは、見えるデータから見えない対称性を浮かび上がらせること、このとき、ガロア的発想が物理においても重要となり、またヒルベルト空間と作用素の本来の役割は天与のものではなく、ミクロ側の代数構造+ミクロからマクロへの可視化のための状況設定により定まることになるのです。

Oh:より詳しくは、見えるデータから見えない対称性を浮かび上がらせること目的、そのためにはガロア的発想が物理においても重要になり、ヒルベルト空間、作用素の本来の役割は天与のものではなく、ミクロ側の代数構造+ミクロからマクロへの可視化のための状況設定により定まるということを認識するのが必須だということでしょうか?また、マクロ側からミクロ側をどう 再構築できるかという問題意識に基づくと「ボーズ→フェルミ」という話になるのですね?

MicMac: 通常の物理では,フェルミ場が見えないのに在る,ということを自明視してしまうため,見えるボーズ場を出発点にして「ボーズ→フェルミ」を考え,そうして得られた「フェルミ」から見えるボーズ場を再構成する,という重要なプロセスが意識されなくなってしまっています。

Oh: 圏論を使うことによりほかの手法では得られない知見があることを願っています。

MicMac:《圏論を使うことによりほかの手法では得られない知見》ということは,「圏構造」を具体的に書き下すには,どういう条件下にどういう構成物のどういう振舞を論じているのか?という問題を等閑視できない,という問題を通して既に上でも,「通常の物理では,フェルミ場が見えないのに在る,ということを自明視してしまう」というところに如実に表れているのだと思います。
特にドレスト光子が関わる現象領域を圏論的に記述しようとするならば,それが現われる状況の本質的な特徴を理論に内在化することが不可欠ですから,ドレスト光子が関わる現象を on-shell photons で書けると信じている人たちとの議論の内容が,ここに重要な形で関与してくるのではないかと思われます。